ボビーヴィール

ボビーヴィールとは、生後1～2週間の乳飲み仔牛になります。
基本的には、母乳主体で育ちます。一部、母牛の真似をして牧草を食すケースが想定されますが、栄養摂取は母乳からとなります。また、一部補助栄養剤を与えられる場合も想定されます。
乳飲み仔牛(ボビーヴィール)はかなり早い段階で屠畜されているため、肉色も淡く、筋肉も発達前で柔らかめの肉質が特徴です。成長ホルモン不使用、遺伝子組み換え作物不使用で育っています。春の差別化メニューにいかがでしょうか。

こぼれ話

ニュージーランドは、酪農が盛んです。
酪農に必要なのは搾乳が出来るメスですが、オスも一定数生まれます。
乳飲み仔牛(ボビーヴィール)はこのオスが屠畜されたものになります（その他、フリーマーチンを含みます）。また、品種については、ホルスタイン主体の乳用種になります。

また、イタリアのホワイトヴィールやヤングロゼヴィールにおいても、同様のことが言えます。イタリアではチーズなどで生乳を必要とするので、酪農が盛んですが、搾乳出来ないオスをホワイトヴィールやヤングロゼヴィールとしてブランド化して販売しています。

日本においても、ニュージーランドほどすぐに屠畜しないとはいえ、搾乳出来ないオス(去勢)は、長く育てず、早めに屠畜するケースがあります。長く育てても、乳用種のオスは高く買ってもらえないのが現実です。その為、農家毎に頃合いを見計らって屠畜しています。
中には、メスになるＸ染色体を持つＸ精子を選別し、90％以上の確率でメスを産ませるような工夫をしている農家さんもいます。性選別を行った精子は、高価であること、また、通常よりも受胎率が下がってしまうので、比較的お産の回数が少ない経産牛が推奨されるなど、いくつかの制約もありますが、限られたリソースの中でやりくりするための手法として採用されています。この他に、性別を判定した受精卵を着床させるやり方があります。